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中身が濃すぎた数週間

 突然というよりは、来るべくして来たと言った方がよいのですが、先月父が亡くなりました。当ブログでも何回か登場した父でしたが、3年ほど前に肝臓にこぶし大の癌が見つかり、その時に医師から余命数ヶ月、或いは数週間、全く予断を許さず…などと言われました。家族はびっくり仰天。孫娘のお腹には数ヶ月で出産予定のひ孫すら居ましたから、せめてひ孫に会わせてから…などと、一同切実に父の死を意識した瞬間でした。

 なんと、あれから3年、すでにひ孫は駆けずり回り、私たちに「いったいどうなっているのだろう」と首をかしげるほどの不思議さを残して、父は眠るように、と言うより二日ほど眠ったまま、旅立ってゆきました。この間、癌自体の苦痛もほとんどなく、かえってひょいひょい出歩いてはボケによる顰蹙をかっていたようですから、その方がよほど悩みの種だったくらいでした。

 それにしても、この三年間、皆父の死というものを現実に重く受け止めたのも事実で、だからこその親密な時間を過ごせたのも、父の頑張りのお陰と言えるでしょう。聞きたかったこと、話しておきたかったこと等々、突然訪れる別れであったら出来なかったことを、父はその頑張りで残してくれました。私は生来不埒な子供でしたが(弟がその分優等生でありますが) 最後の最後まで優しい父でありました。94歳の大往生。私は越える自信がありません()

 多くの方々にお悔やみや励ましのお言葉を頂戴いたしました。改めて御礼申し上げます。

 

 父が亡くなった週は、上田桃子プロの国内最終戦でもありました。日本でのシード権を獲得するには単独6位以内を確保しなければならない厳しい試合でしたから、こちらの結果も気が気でならず、葬儀を終えた翌日からは、ネットにかじりついて応援をしました。さすがに現地に飛ぶわけには行かず、最終日終盤のスコアーは現地応援組の情報だけがたよりの、実に気を揉む時間を過ごしました。幸い無事来期のシード権を獲得し、優勝した時とはまた違う、格別の達成感を感じた一日でした。桃子プロは「悔しさいっぱい」とのコメントでしたが、それはこの最終戦の優勝争いだけに限らず、今年一年を振り返っての気持ちでもあったと思います。ある決意を秘めて臨んだ今シーズン。その決意、覚悟が具体的にどのようなものかは知る由もありません。「今シーズン米ツアーで勝てなかったら来期は日本でやろう」或いは「勝っても勝てなくても来期は日本ツアーを中心に……」どのような覚悟にせよ、今年のツアーに掛ける意気込みは並々ならぬものがあったと思います。しかし、結果は年間を通して低迷し、米シード権を失うという、不本意なものでした。米ツアーに挑んで6年の集大成として、果断なる覚悟をもって臨んだ一年は、桃子プロの意気込みとは裏腹の結果で終わりました。「言葉ではなく、結果で示したい」と言っていた桃子プロの心中はいかばかりであったでしょう。結果にこだわり続けた桃子プロの苦悩を思うと、たかが一ファンの私ですら、胸が締め付けられる思いがします。

 それだけに、日本ツアーのシード権獲得は、尚更嬉しい出来事でした。通常年間30数試合あるほとんどの試合に出場し、その累積賞金額で次年度の出場権を決めて行く戦いの中で、一桁の試合数でシード権を獲得したのは、フォンシャンシャン、申ジエ、上田桃子の三選手のみです。海外を飛び回り、あるいは日本で、両ツアーのシードを確保し続けた2008年からの頑張りは、それだけで紛れもないトッププロの証だと思います。来シーズンは一旦アメリカツアーから離れ、上田桃子プロの新たなステージが日本ツアーを中心に繰り広げられることでしょう。しかし、その舞台は、賞金女王になった時にみた景色とは全く違った景色となって見えるのだとおもいます。なぜなら、伊達や酔狂で過ごした六年間ではないのですから…。行かなければ決して解らなかったことを体中で心底味わった六年間だったのですから…。

 今年終盤の桃子プロの試合を数戦見に行きました。変な例えかも知れませんが、私はこんな風な印象をもちました。「少々暴れん坊でやんちゃなドラ猫が、六年間アメリカに行っていたら、いつの間にか虎になって戻ってきた!」

日本ツアーに虎が咆哮し、やがてまたアメリカの地を疾駆する虎の姿が目に浮かびます。

 

 宮崎で開催されたLPGAの最終戦ツアーチャンピオンシップリコーカップもとても印象深い試合でした。この試合は賞金女王の行方がもっともクローズアップされ、TV中継もその話題が大きく取り上げられましたが、私が最も感動したのは、大山志保選手の優勝でした。肘や肩の怪我を乗り越え、故郷宮崎で再びメジャー奪取して錦を飾った姿。そのひたむきに前向きな姿勢は、諦めないで前進し続けることの素晴らしさを教えてくれました。 同じように膝の怪我でスイング改造まで余儀なくされた桃子プロを思うと、身につまされるような、勇気づけられるような優勝でした。

 

 父の葬儀の直後には、引越し作業に追われました。喪主としての雑事もそこそこに(ほとんどは弟に任せましたが(^O^) )慌ただしく都民になりました。葬儀と引越しが重なると、この煩雑さ、やるべき事の多さ、想像を絶するものがあります。引越しとは、その行き先が空家である場合がほとんどだと思うのですが、この度は、行く先がすでに家財道具やら父の膨大な蔵書満載の状態で、行き先の整理やら蔵書売却やらを済ませてからの引越し作業となりました。葬儀を終えてからの怒涛の二週間、やっと全ての荷物が移動し旧居を後にした時、猛烈な脱力感が襲ってきました。それでも今まで熱も出さず、こうしてパソコンに向かい、相変わらず無神経なほど元気でいられたのは、まだその後も多くの手続きやら雑事が残っていたお陰かもしれません。

 

 そのような訳で、やっとこうしてブログなどに向かう余裕も若干出来つつあります。まあ、当ブログの忘れかけた頃の更新は通常のことなのですが(それじゃ駄目じゃん!=昇太)、取り急ぎこのブランクの間に起きた実に多くの思いの交錯した出来事を書いてみました。それにしても、もうこんな引越しは懲り懲りであります。

 


平林寺

 平林寺に行ってきました。家から車で十分ほどの身近な場所にありながら、今まで行ったことがありませんでした。年内に引越しが決まり、まもなく都民に戻るのですが、その前に一度いってみようと思い立ったわけです。

 紅葉はまだ早いだろうと思っていたのですが、境内の施設の付近はなかなか鮮やかに彩られていました。

 

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皆さん、撮影に没頭、記念撮影やモミジのいろどりにと、カメラを構える姿があちらこちらで見られました。

 

 

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踏み入れることが出来ない山門の中も……

 

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紅葉より綺麗やった(笑)

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秋の木もれ陽

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和服姿でなにやら書いているように見えたので、「句会」かな?と思ったら、みんなスマホをいじってた!

 

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裏の墓石群にそそぐ秋の陽射し

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裏手にはモミジ山という場所があって、最盛期は素晴らしい景色になるのだと思います。

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境内の広さも驚きでした。有料施設というのはある程度歩いて、ほどよい疲れが、「元とった!」と思わしてくれる………………なんてことは無いか!?

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素敵な場所を発見して、もっと季節を問わず来るべきでした。

都民になっても、また訪れようと思いました。

施設のアクセス案内では、車の訪問が出来ないように書いてありますが、正門の真向かいに有料駐車場(¥500)があります。拝観料が同額なので、¥1000ポッキリなのでありました。

 

 


高尾山

 高尾山に行ってきました。近くに用事があったので、少し足を伸ばしただけだっ

たのですが、色づき始めたとの下調べはしておいたので、ちょっぴり期待も含めて

のことでした。あいにく、今にも泣き出しそうな天気。予報では晴れたち曇ったり

と言っていたのですが、残念ながら、予報はほとんど外れに近く、午前中から傘の

心配をしなくてはいけないほどでした。

 駅前近くの駐車場に車を止め、少々歩きます。小さい頃は何度も電車で通った、

思い出深い、懐かしい道です。当時は、高尾山の山頂をオオムラサキが6匹、7匹

と群れをなして滑空していましたし、クモガタヒョウモンやウスバシロチョウなど

が、幼かった私の心を、息が苦しくなるほど興奮させてくれました。

 

 京王線の高尾山口駅まで来たら、面白いものを見つけました。

 

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写真で見てもなんら違和感のない光景。これ、皆精緻巧妙に描かれた「絵」なのです。

これは私の知らない間に出来た(と言っても何十年もきてなかったのだけれど) 、

トリックアート美術館の壁画でした。しかし、入館する余裕もないので、そのまま

通過……。

 

 モミジは、それなりに色づいている木もありました。

 

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 しかし、一週間から10日ほど早い感じで、全く陽が刺さない曇天と相まって、撮影

には厳しい状況でした。

ケーブルカーの乗り場を横目に見ながら、ゆっくり登って行きます。ノタノタと

登ってゆく爺さん(って私?)を、若いカップルや、観光バスから降り立ったばかりと

いった、英語・韓国語の飛び交う集団が何組も追い抜いていきます。

 「そんなに急いだら山頂まで持たないよ」と言いたいところですが、高尾山ごとき

若い頃はなんともないのを知っているので、尚更、老いの悲哀を味わいながら、とぼ

とぼと登る私なのでありました。

 

 道中、眼についた「秋」 を撮ってゆきました。撮影のついでに休憩しているのか、

撮影のフリして休憩しているのか、いずれにしても、超スローテンポで、とても

幾度となく登山していた人間とは思えない体たらく。

 

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 ホオヅキというのは、そのままにしておくと葉脈だけが残って、こんな形になる

のを、初めて知りました。お洒落なランプといった感じです。

 

 

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 どの世界にも、せっかちな奴というか、先駆者というか……いるんですね。

 

 

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 お地蔵さん。どこのお地蔵さんも、赤が似合うのは何ででしょう?

 

 

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 益々空模様が怪しくなってきたので、急遽ケーブルカーで下山。では、突然

ですが、ここで問題!

ケーブルカーのすれ違いの場面です。私の乗っているケーブルカーは、右・左

どちらの線路を通ったでしょうか?

 

 

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 余計なおせっかいのヒント。

ケーブルカーっていうくらいだから、太いワイヤー(ケーブル)で引っ張り

上げられてるんですよね (^O^)

 

 

 

 紅葉は何も真っ赤や真黄色だけがいい訳ではないですね。色付き始めた頃も

十分美しいことが分かった、懐かしい高尾山行でした。

 

 

 

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  当ブログの写真は左クリックしてF11を押すと大きく見易くなります。

画素数は下げていますがガードはしていませんので、個人的な使用(壁紙

等)は御自由にどうそ。でも、流用、転用、転載はしないでね。

 

 


思いのこもったガッツポーズ!

 

「ナイスバーディー!」の大きな歓声の飛び交う中、桃子プロは力強くガッツ 

ポーズをしました。スタンレーレディース最終日、裏街道10番スタートの最終 

9番ホール、このバーディーが順位に与える影響は49T42Tに変わる 

だけ。賞金額も獲得賞金額順位から見れば微々たるもので、優勝や上位争いとも 

無縁のささやかなバーディー。それがなぜ力強いガッツポーズとなったのでしょ 

うか。それは、やっと自分で納得できる、桃子ゴルフのバーディーがとれたから 

かも知れません。

 

 この日、桃子プロは前半全てパーで収める我慢のゴルフでした。幾つかのバー 

ディーパットは決まりませんでしたが、パーセーブが危ぶまれたピンチはすべて 

切りぬけてノーボギーの折り返しとなりました。バーディーが先行していい流れ 

をつくれるか、それともボギーが先に来てハンデを負っての再スタートとなるの 

か。息詰まるホールが続きました。残念ながら後半の1番でボギーを叩き、3番 

で取り返しましたが、バーディーパットが決まらない我慢のホールが続きました。 

絶好のバーディーチャンスを逃した時のギャラリーの深い溜息。7番8番連続ボ 

ギーとして、思うように伸ばせなかった重苦しい後半でした。

 

 我慢といえば、同伴競技者のパッティングアドレスへ入るまでの時間のかけ方も 

とても気になりました。もちろん私の個人的な感じ方ですし、計測したわけでも 

ありません。ほんの数秒の違いなのかも知れませんが、それらが積み重なって、 

ティーショットを打ったあと駆け出さなくてはならない状況を作ったのは間違い 

ありません。これが桃子プロにどう写ったかは知る由もありませんが、我々ギャ 

ラリーにとっては、フラストレーションの大いなる上乗せなのでありました(^^;

 

 閑話休題(それはともかく) そんな状況で迎えた最終9番ホール、桃子プロの 

ティーショットは同伴競技者二人をオーバードライブし、フェアウエイを捉えま 

した。しかし、グリーン手前には大きなバンカーが口を開け、ピンはそのバンカー 

の真後ろに切られていました。少しでもショートすればバンカー。少しでもオー 

バーすればピンの根元に落ちたボールは右奥へとどんどん離れていくように見え 

ました。落としどころは一点、バンカーギリギリを狙って、グリーンエッジ近辺に 

落とす以外バーディールートはなさそうでした。2パットのパーを狙うのなら、 

他の安全な選択肢は幾つもあったと思います。もちろん桃子プロはバーディー 

ルートを目指しました。セカンドショットはピン方向に大きく舞い上がり、グリー 

ンエッジ近くに落ちてから、スルスルとピンに向かって転がり、1.5mほど右に流 

れて止まりました。これ以上は望めない最高のショットでした。

 

 パッティングは、この日良くありませんでした。前日も一回あったのですが 

この日も、打った瞬間ダメと分かって歩き出すシーンがありました。それは 

自分が思っていたラインに打ち出せなかったのか、それとも読んだラインと全く 

違うラインだったのか、真偽のほどは分かりません。そんな状況の中で迎えた 

最終ホールのバーディーパットは、ラインを読み切り、思った通りに打てた会心 

のパットだったと思います。 

 思わず出たガッツポーズ。それは桃子ゴルフを貫いたことから生まれた確信的 

なバーディーだったからこそのガッツポーズだったのだと思います。桃子プロの 

ゴルフに対する沢山の思いがこもったこのシーンは、改めて桃子プロの熱い思い 

を伝えてくれました。また、観戦していたファンにとっても、それまでのフラス 

トレーションを一気に雲散霧消させる、実に見ごたえのあるすばらしいバーデイー 

でした。

 

 

 

 

 今回は静岡県の開催ということで、久しくお会いできなかった関西の桃ファン 

ともご一緒できました。会場でお会いした多くの桃ファンの皆さん、楽しい時間 

を共に過ごせたこと、感謝申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ということで、一応観戦記終了。

 

せっかく富士山の近くに行くのだからと、土曜日は深夜寝ずに出発し、近くの 

SAで一時間仮眠。日の出を待って富士山の写真を撮りました。

 

この日の富士山は上空にどす黒い雲が覆い、麓には真っ白い雲海のような雲が立 

ちのぼっていました。その上空の雲の切れ目から朝日が射し込み、なんとも異様な 

風景。

 

 

 

 

 

 

 

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眠いのを我慢してしばらく待っていると、上空の雲が消えてきたので、もう一枚。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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しかし、限界を感じ、ギャラ駐についてすぐに一時間仮眠。毎日こんな調子だから

睡眠不足にもなりますわなぁ。

 

 

 


ミヤギテレビ杯観戦記

 カップを目指して緩やかに弧を描きながら、見事にカップインと思われた
白球は、カップに落ちそうになった瞬間、カップのへりを伝うように直角に
曲がり、まるで何者かが内側から侵入を防ぐようにカップの外へ出てゆきま
した。ギャラリーの大きな嘆息。信じがたい物を見るように、呆然と立ちす
くむ桃子プロ。ミヤギテレビ杯ダンロップ女子ゴルフトーナメントの最終日、
上田桃子プロの最終18番ホールは、この日のゴルフを象徴するかのような
幕切れとなりました。
 最終日を迎え、桃子プロはトップと5打差の位置でした。優勝を狙うには
厳しいポジションです。しかし、狭いフェアウェー、固く止まらないグリー
ン、アンジュレーションのきつい高速グリーン。上位陣もなかなかスコアー
を伸ばせずにいました。そのような難コースでも、噛み合えばとんでもない
スコアーが出たりするのもゴルフです。これは私の勝手な思い込みですから
真偽は本人しか知り得ないことですが、きっと桃子プロはこの5打差をひっ
くり返してやろうと決めて一番ティーグラウンドに立ったと思います。頑張っ
て上位へ……ではなく、まさしく“勝つ”ために。
 前半9ホール、3番でバーディーを獲ったものの数多くのバーディーパッ
トは外れ、イーブンに戻すことも出来ませんでした。しかし、いつになく丁寧
に、そして真剣にパーを積み重ねているように見えました。それは外的な要因、
例えば虫がまとわりついたとか、雑音といったこと以外にも、確認のための
パットの仕切り直しが何度かあったことで伺い知ることができました。また、
パーティー内での談笑など殆どなく、ひたすら一人で歩き、寡黙に自分自身の
ゴルフと対峙しているようにも見えました。
 1バーディーノーボギーで迎えた後半、転機が訪れました。10番ホールは
それまで安定していたティーショットが乱れ、左のラフに入りました。やや左
ドッグのホールで、目の前には大きな木が立ちふさがり、グリーンを直接狙う
ことは難しいようにみえました。あるいは、多大なリスクを承知でグリーンを
狙えたのかも知れません。しかし、桃子プロは右手フェアウエーに出し、寄せ
ワンのパーを目指しました。そのサードショット。狙い通り見事にピン奥1m
ほどにON! 私がこの日最も感動したショットとなりました。実に見事なパー
セーブと思いました。……このパットが入りませんでした。
 続く11番ショートホール。桃子プロはまたしても見事なショットを放ち、
バーディーチャンスにつけました。前ホールはティーショットのミスがあった
からボギーは仕方ないとしても、そのミスをすぐ取り返せる絶好のチャンスで
した。桃子プロの思い、多くのファンの思いを乗せたボールは、しかしホールの
数センチ脇で止まりました。桃子プロは眼をかっと見開き、唇を噛み締め、左右
に握り締めたパターを折らんばかりに力を込めました。このパットの重要さが
いかほどのものかが伝わってきた瞬間でした。
 この10番ホール、11番ホールの展開は、桃子プロが上位に臨む最大の山場で
した。レバタラを言う虚しさは十分承知の上で、それでも「10番のパーパット
が入っていれば……」と思わずにはいられません。
 この後も、桃子プロは終始集中したゴルフを続けて行きました。バーディー
は14番ホールしか獲れなかったけれど、ボギーも叩いてしまったけれど、そし
て、何度もあったバーディーパットは本当に神様の悪戯じゃないかと思えるほど
入らなかったけれど、それでもなんとか一打でも上位を目指すひたむきな桃子
プロがいました。心の中では歯を食いしばって、しかし冷静にマネージメント
を行い、1打1打に集中没頭している桃子プロでした。しかし、結末は冒頭の
最終ホールのシーンでした。
 今回、ついぞ書かなかった観戦記を書こうと思ったのは、この桃子プロの
真摯さに心を打たれたからです。もちろん彼女のゴルフはいつも真剣です。無
論いつも勝ちにこだわって果敢に攻めもします。また、真剣さということでは
参加しているプロも皆同じであるとも言えるでしょう。それでもなお桃子プロ
のプレーに感銘を受けたのは、いままで100ラウンド近くは観戦した彼女の
プレーと違う何かを感じたからです。それは、桃子プロの置かれている状況が
わかっていることからくる、私の単なる思い込みかもしれません。また、彼女
自身、ここが正念場だと承知していますから、生半可な気持ちで臨んでいるは
ずもありません。しかし、そんなことを割り引いて考えても、桃子プロの真摯
な姿は、とても美しいものでした。数字的な結果としては魅せられなかったけ
れど、バーディーもそれほど魅せられなかったけれど、桃子プロはプロゴル
ファーが真剣にゴルフに臨む姿で、本当に素晴らしい感動を与えてくれていま
した。
 今年の桃子プロの試合は、国内での数戦を残すのみとなりました。そのどれも
が、国内外のシード権や来季のスケジュールまで関わる大事な大事な試合です。
そして、その試合には、豹のように獲物に狙いを定めた、本当に本気になった
女子プロゴルファーがいることでしょう。おそらくこの数試合はファン必見の
試合になると思いますし、彼女自身にとっても忘れられない試合になると思い
ます。最年少賞金女王になった当時より、格段に成長した上田桃子というプロ
ゴルファーが、今までの全てを掛けて臨む試合です。出来る限りの応援をした
いと思いますし、良い結果を望むばかりです。




大好きな曲 「マイナースイング」 増補版

 家のなかにいても容易に想像できる横殴りの雨と突発的な強風が、台風独特の
音とともに我家を包んでいます。せっかくの連休で、どこかに出かけたいのですが
なかなか進まない引越しの準備もやらねばならず、とはいえそれもすぐに飽いて、
久しぶりに当ブログなど覗いてみると、You tubeからお借りして貼り付けた動画
などは壊滅的な視聴不可となっている有様。この機会に補強しときましょう。
それにしても凄い風。今、何かが飛んできて、近くで大きな衝突音がしました。

 ジャンゴ・ラインハルト(Django Reinhardt) という人は、ジャズ演奏の伴奏楽器
であったギターを、ソロ楽器として使用した草分け的な存在です。当時ジャズバンド
は、管楽器を中心に編成されていましたが、弦楽器中心の軽快にスイングするバンド
を編成し、一躍人気バンドになりました。特にバイオリン奏者ステファン・グラッペ
リとの出逢いは、二人にとって大きな出来事で、この二人を中心に結成したフランス・
ホット・クラブ五重奏団は、数多くの名演を残しました。
 ジャンゴ・ラインハルトのギターは、特に叙情的なところが大好きで、Minor Swi-
Ng という曲とベストマッチのように思います。残念ながら41歳の若さで急逝しま
したが、その演奏はキタリストのみならず、多くのミュージシャンに今でもインスパ
イアされているのではないでしょうか。




 先ず最初に、本人のS.グラッペリとの共演








次はあえて選んだ管楽器(sax)入りの演奏を二曲
最初はグレース・ケリー。この人の演奏は、なにか幾何学的な乾燥感があって、あま
り興味がなかったのですが、この演奏はとてもエモーショナルで、セクシーとさえ言え
ます(画像じゃないっすよ(^^;) ) グレース・ケリーという人に注目させられた演奏
でした。
二曲目のsax奏者は名手ジェームス・カーター。さすがのsaxですが、ピアノの奏者も
負けずにブッ飛んだ空間で演奏しています。


Grace Kelly






James Carter







 最後に変わり種、ハーモニカです。
ハーモニカという楽器もなかなかやるもんですなぁ






 以上の動画も、いずれ視聴不可の憂き目に会うのでしょうね。どうもイタチごっこ
の体です。転載してはまずい動画をUPするな!……と言いたいところですが、よくぞ
UPしてくれたと感謝感激の動画もあり、複雑な心境であります。

 台風通過経路の皆様、何事もなく台風一過の青空が広がるといいですね。



円山動物園

 都会の暑さに耐えられず、北海道まで避暑に行ってきました……といった優雅

な身分になってみたいものですが、実際はまだ肌寒い日もあった春先、桃子プロ

の出場を耳にしてすぐ予約をしたmeijiカップの観戦で、札幌に行ってきました。

連日各地で最高気温の更新のニュースが流れる日本列島、北海道も例年以上の暑さ

のようで、観戦もタオルが手放せない熱い試合となりました。

 

 最終日は第一組、まだ朝露も残っていそうな早い時間のスタートでしたから、

ホールアウトしてしばらくのんびりしていましたが、まだお天道様は頭上でギラ

ギラ。飛行機は夜遅くだったので、円山動物園まで行ってきました。

 

 

 

 入園していきなり出会ったのがこやつ!、動物園内の野生生物。どうも栗鼠の

仲間のようですが、名前が判らない。しかし、動物園で真っ先に出会った姓名不詳

のこやつは、観覧者のあいだを猛烈な速さで駆け巡り、歩道脇の木々を渡り歩い

ては皆の驚きの歓声に包まれていました。名札の無い奴も、一生懸命動物園の

人気UPに貢献していました。

 

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 上野動物園では、大事な顔を省略してしまい、失礼しました。キリンさんです。

 

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シベリアンハスキー……ではなく、「オオカミ」。すまし顔では面白くないので…

 

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ガバッと出てきたカバ! (^^;

 

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表題「思索!」     なんちゃって……

 

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ダチョウ君でした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 動物園の楽しさは、普段間近に見られない動物たちであることは間違いない

のですが、その動物たちをみてギャラリーのあげる歓声や様々な感想の言葉の

切れ端が、とても面白く、いつしか私のお気に入りのスポットになってしまい

ました。特に子供たちの純粋の感嘆の声と、中年女性の感想の対比はなかなか

面白い。

 子供たちが初めて目にする動物たちを前にして驚きの歓声を上げている脇で

 「でっかい糞やなー」とか

 「臭いわ、行こ行こ!」といった調子。

 動物園は、人間園のようでもありました。

 

 

 

 

 

 

 こやつは妙に私に鋭い視線を……

 まさか望遠レンズと鉄砲と間違えないよね?

 

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 初めて訪れた円山動物園は、有名な旭山動物園の派手さも、上野動物園の

大きさもありませんでしたが、落ち着いた味わいのある動物園でした。ゆっ

くりと各展示の動物たちを見ることは出来ませんでしたが、久しぶりのマー

ちゃんとのデートは楽しいひと時でした。

 

 

 


”聖地”S.アンドリュース

 

 

 セントアンドリュースゴルフリンクス・オールドコース。ゴルフという競技の発祥

の地とされ、あるいは聖地とも称されます。コースは“あるがまま”を旨とし、小山

ほどもある起伏のあるフェアウエイや“地獄”と名付けられるものすらある深く難儀

なバンカー群、ハリエニシダその他ラフには正にあるがままの雑草が生い茂る。そし

て一旦リンクスコース特有の疾風が吹き始めれば、このハザードたちは、その本来の

役割を最大限発揮し、いままでグリーンの周りを散歩していたパーおじさんはいつの

間にか姿を消してしまいます。このような過酷なコースで、昔の人々はひたすらパー

おじさんと仲良くなろうとゴルフに励んだのでしょう。

 

 やがて近隣に同じようなコースが造られ、多くの工夫・発展をみせながら世界中に

ゴルフコースが出来ていきました。しかし、S.アンドリュースオールドコースの“聖

地“としての地位は揺るぎませんでした。2005年開催のジ・オープンは、翌年S.

ンドリュースの開催が決まっていたにも関わらず、ジャック・ニクラウスが公式競技

完全引退を宣言したために、急遽S.アンドリュースでの開催に変更されました。いか

にこのコースの持つ意味が大きいかということを示した一例であります。このように

考えると、ゴルファーがこのS.アンドリュースオールドコースでプレーするというこ

とは、やはり何がしかの感慨なしでプレーすることは出来ないであろう、特別なコー

スと言えるでしょう。

 

 今週、いよいよリコー全英女子オープンが開催されます。開催地は英国スコットラ

ンド。上述のS.アンドリュースオールドコースです。全英女子オープンは、男子競技

のいわゆるジ・オープンと比べ歴史は浅く、LPGAのメジャー競技となったのは2001

年です。主催者も異なりますし、全英オープンの男女版という見方よりは、全く別の

試合と見る方が妥当なような気がします。しかし、ジ・オープンの開催コースはシー

サイドリンクスで行われるという不文律があるようですが、女子の試合もその点は踏

襲しているようです。全英女子オープンはLPGAのメジャーとしては日が浅いですが、

ジ・オープンと同様の形式とコースをもって、格式あるメジャー大会としての地歩を

確実に築きだしたと言っていいでしょう。

 

 全英女子オープンがS.アンドリュースオールドコースで初めて開催されたのは

2007年でした。

 2007年といえば、私たち上田桃子ファンにとっては忘れられない年です。この年、

桃子プロは、史上最年少賞金女王を獲得し、破竹の勢いでした。平均ストローク数一

位、平均パット数、パーオン率、パーキープ率いずれも二位という、輝かしい成績で

した。S.アンドリュースで初めて全英女子OPが開催されたこの年、上田桃子プロも

初めて全英女子OPに出場しました。すでにこの時期で三勝を挙げ、賞金女王候補と

して、俄然注目を集めていました。ちょうどこの頃、テレビ局の密着取材を受けてい

て、その中で同組でラウンドする相手を評して、このように言っています。

「ポーラ・クリーマーは同級生だし…」「朴セリだって同じ東洋人だし…」「私が

一番強いと思っているから…」

 

 予断を持たず、素直な物言いをする桃子プロですから、これは本当にそう思ってい

たに違いありません。また、それを裏付けるだけの成績や自信、勢いがありました。

しかし、結果は55位と不本意な成績に終わりました。それでも予選は通っていますし、

まだプロゴルファーとなって間がないことを思えば、世界の手応えを初めて知った程

度のことともいえるでしょう。この番組のなかで、桃子プロは唇を噛み締め、「悔しい、

悔しい」と言い続けました。「この借りは絶対返します…」とも。

 

 残念な結果に終わった全英女子オープン、しかし、帰国したらまた頑張ればいいし

と思っていた矢先、私はある衝撃的な映像を目にしました。それはなにかのニュス番

組で偶々スポット的に流れた映像で、その後他のチャンネルをいくら探しても見られ

なかった、帰国の際の空港で桃子プロが号泣している姿でした。それは、傍で見てい

た事情など全く知らない人でも胸を締め付けられるような、正に号泣でした。桃ママ

に取りすがったその姿は、その思いが如何許りであったか計り知れない程でした。

 

 あれから6年経ちました。今年全英女子オープンは6年振りにゴルフの聖地、S.

ンドリュースオールドコースで開催されます。私の今年最も楽しみにしていた、そし

て前述のように特別な思いのこもった大会です。実は、桃子プロの出場は、先々週行わ

れた大会の予選が終わった段階で、やっと決まった、薄氷を踏む思いの出場権獲得でし

た。日本人選手としては9番目の、ギリギリ滑り込みセーフ! 私には、ゴルフの神様

がこんな風に言っているような気がしてならない。

 「どうだね。もう一回S.アンドリュースでゴルフやってみるかね」

 

 ふたたび想い出のコースを歩むことになった桃子プロ。前回と違い、今度はLPGA

メンバーとしての出場です。頂点を極め、或いは不振の底でもがき苦しむことも知っ

た桃子プロ。一体どのような思いでプレーするのでしょう。私は、あのリンクスを歩

く桃子プロを想像しただけで、今から胸が熱くなってきてしまいます。私は今回、いつ

もの何十倍もの熱意で応援するつもりですが、反面、今回だけは数字的な結果などどう

でもいいとも思っています。二つの両極端な思いが、不思議なことに自分の中ではまっ

たく矛盾しない奇妙な大会。たとえ二日間で終わろうが、四日間であろうが、その最終

ホールをホールアウトしたとき、このS.アンドリュースでプロゴルファーとしてプ

レーできた幸せを感じることが出来たら、それだけでいい。前回は自分の不甲斐なさ

だけを涙したけれど、今年はホールアウトしたとき、たとえ氷雨が降っていようが、

暴風雨だろうが、そのリンクスの風を心地よく感じられるほどには成長していると、私

は信じているから……。

 

 

     Good luck !

 

 

 

 

 

 


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